アブストラクト(45巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 透析患者の心臓手術における持続血液濾過透析の有用性
Subtitle :
Authors : 飯田浩司, 岡村吉隆, 望月吉彦, 森秀暁, 山田靖之, 柴崎郁子, 杉田洋一, 嶋田晃一郎
Authors(kana) :
Organization : 獨協医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 4
Page : 550-555
Year/Month : 1997 / 4
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 透析患者の心臓手術後急性期の血液浄化法として持続血液濾過透析(CHDF)を施行しその効果, 血行動態に与える影響を検討した. 心臓手術を施行した透析患者14例のうち11例の術後急性期にCHDFを行った. CHDFは術後平均16.9±13.7時間で開始し, 31.9±18.0時間継続したが, 出血傾向などCHDFに起因する合併症は認めなかった. CHDF中の血中クレアチニンの上昇はなく, 24時間で2,223±1,265mlの除水が可能であり, 肺動脈楔入圧は9.0±2.3から6.4±3.0mmHgへと有意に減少した. しかし心係数は施行前に3.33±0.81/min/m2, 24時間後に3.07±0. 71/min/m2と不変で, カテコラミンの有意な増量も要さなかった. 体血管抵抗, 肺血管抵抗は変化しなかった. CHDFは透析患者の心臓手術後急性期に血行動態を変動させず施行可能であり, 十分な血液浄化効果が得られ, 合併症はなく簡便で極めて有用な方法である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 慢性腎不全, 透析患者, 開心術, 持続血液濾過透析
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