アブストラクト(45巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 狭小弁輪を伴う先天性大動脈弁狭窄症に対する自己肺動脈グラフトによるTotal aortic root replacement(Ross手術)の2治験例
Subtitle :
Authors : 森田紀代造, 黒澤博身, 高倉宏充, 宮本尚樹, 石井信一, 金澤俊行
Authors(kana) :
Organization : 東京慈恵会医科大学心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 4
Page : 594-600
Year/Month : 1997 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 狭小大動脈弁輪を呈する先天性大動脈弁狭窄症の2例に対して自己肺動脈グラフトを用いたTotal aortic root replacement(Ross手術)を施行した. 症例は7歳男児及び23歳女性, 左室大動脈圧較差120及び80mmHg, 弁輪径16mm及び18mmであった. 術式はRossの方法に準じ, 弁輪部を残し大動脈壁, 弁尖を全切除後Autograftにて置換した. 右室流出路再建にはPTFE 3弁付き異種心膜導管24mmを用い, 右室流出路後壁の断端を短冊状自己大動脈片により補強した. 両症例とも術後急性期血行動態は良好で, 左室圧容積関係からみた左室収縮動態の改善も良好であった. 術後16, 13カ月の現在, 両症例ともautograft弁逆流を全く認めず左室流出路圧較差10mmHg以下と良好な弁機能が示され, 左室肥大, 左室心筋重量の改善とともに運動耐用能は著明に改善した. 本法は代用人工弁置換に比して弁機能に優れ, 急性期血行動態の点で有利である上に, より根治性が高く, 狭小大動脈弁輪を伴う先天性大動脈弁狭窄症の小児に対して極めて有用と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 自己肺動脈グラフト, 左室圧容積関係, aortic root replacement, pulmonary autograft
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