アブストラクト(45巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 待機的手術を施行し得た急性心筋梗塞後の乳頭筋断裂
Subtitle :
Authors : 南方謙二, 小西裕, 松本雅彦, 三和千里, 湯浅貞稔*
Authors(kana) :
Organization : 日本赤十字社和歌山医療センター心臓血管外科, *京都大学医学部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 4
Page : 639-644
Year/Month : 1997 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 急性心筋梗塞後の合併症の中で, 乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全症は, 急速に心不全が進行し, 緊急手術がなされるのが一般的であるが, 極めて予後は不良である. 今回われわれは, 急性下壁梗塞に後乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全が合併した1例を経験した. 症例は63歳, 女性. 背部痛と呼吸困難で発症し, 近医で急性心筋梗塞, 僧帽弁閉鎖不全と診断された. 心不全, 肺水腫が進行し, 強心剤と利尿剤投与にて, 一時症状が軽快したものの強心剤からの離脱が困難なため当院に紹介され, 経食道心エコーにて後乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全と診断, 心臓カテーテル検査で右冠状動脈に100%狭窄とSellers III度の僧帽弁逆流を認めた. 発症47日目に, SJM弁を用いた僧帽弁置換術と冠状動脈バイパス術を同時に施行し術後45日目に退院した. 本邦における, 発症4週間以上の待機的手術の報告は少なく, 文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性心筋梗塞, 乳頭筋断裂, 僧帽弁置換術
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