アブストラクト(45巻5号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 弓部大動脈瘤手術における補助手段と治療成績の検討
Subtitle :
Authors : 福田幾夫, 海野英哉, 河野元嗣*, 大内浩**, 佐藤雅人
Authors(kana) :
Organization : 筑波メディカルセンター病院心臓血管外科, *筑波メディカルセンター病院救急部, **埼玉医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 5
Page : 718-723
Year/Month : 1997 / 5
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 過去7年間に経験した弓部大動脈瘤33例の手術成績を検討した. 動脈硬化性真性瘤16例(T群), 解離性大動脈瘤17例(D群)で, 補助手段として真性瘤には選択的脳灌流法(SCP法)を, 解離には11例でSCP法, 6例に超低体温循環停止法(CA法)を用いた. T群の14例では体外循環開始と同時にSCPを開始した. T群での手術死亡は1例, 6.2%, D群では2例, 11.8%であった. 脳合併症はT群の2例に見られ, 1例は完全回復, 1例は術後縦隔炎を併発し病院死亡した. 補助手段別に検討すると, SCP法における脳灌流時間はT群157.8±54.4分, D群140.1±66.5分(n=11), CA時間は49.5±11.4分(n=6)であった. SCP法施行27例での脳合併症は2例, 7.4%でその原因は弓部分枝再建時の脳灌流不全で, 手技の習熟により回避可能であると思われた. 動脈硬化性真性弓部大動脈瘤ではSCP法を第一選択とし, 解離性大動脈瘤では解離の範囲, 術式に応じて使い分けることが妥当である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 弓部大動脈瘤, 弓部大動脈人工血管置換, 選択的脳灌流法, 超低体温循環遮断
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