アブストラクト(45巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高速MRを用いた冠状動脈バイパスグラフト開存性の評価について
Subtitle :
Authors : 岡村吉隆, 山田靖之, 望月吉彦, 飯田浩司, 森秀暁, 杉田洋一, 嶋田晃一郎
Authors(kana) :
Organization : 獨協医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 6
Page : 801-805
Year/Month : 1997 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 冠状動脈バイパスグラフトの開存性を非侵襲的に評価する目的で高速MR(MRCA)の有用性と問題点を検討した. 対象は35例で検査時年齢は45-75(61.2±7.6)歳, 術後期間は2カ月から3年であった. 35例で計92本のグラフト(左内胸動脈28本, 胃大網動脈7本, 大伏在静脈57本)を対象とした. MRCAとしてSIGNA HORIZON 1.5T(GE Inc. )を用い, 2D-FASTCARD sequenceにより, 1回約15秒の呼吸静止下に撮像した. 通常の冠状動脈造影(CAG)との検査時期の間隔は1-11カ月であったがこの間, 病変の進行はないものとしてMRCAのsensitivityを評価した. CAGで開存が確認されたのは92本中90本で, 内82本(91%)がMRCAでも開存が確認できた. グラフト種別では静脈グラフトに比し動脈グラフトの評価が劣り, 吻合部位別では回旋枝に比し右冠状動脈や左前下行枝の確認がやや劣った. 動脈グラフトの径が細いことや胸骨ワイヤーや金属クリップによるartifactが原因と考えられた. 被検者の負担が少なく安全性にも問題はなく今後冠状動脈バイパス術後のフォローアップ, 特に腎機能低下例やASO例に有用な検査法と考えられる. 手術時に使用する胸骨ワイヤーや金属クリップの材質を考慮すればより一層の精度が得られると考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : MRI, MR angiography, 冠状動脈バイパス術, 冠状動脈造影
このページの一番上へ