アブストラクト(45巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 自然気胸に対する胸腔鏡下手術後再発症例の検討
Subtitle :
Authors : 梅本真三夫, 得能正英, 斉藤幸人, 今村洋二
Authors(kana) :
Organization : 関西医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 6
Page : 831-835
Year/Month : 1997 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 術後経過観察期間が1年以上に達した自然気胸に対する胸腔鏡下手術54症例中8例で術後再発を認めた. 再発例に対しては経過観察2, ドレナージのみ1, 開胸手術5を行った. 開胸手術例の術中所見では明らかな嚢胞性病変の見落とし2例, 自動縫合器をかけたラインの近傍の小山(裂け目)からの再漏1例, 縫合線周辺での嚢胞1例を認めたが, 1例では病変部位は不明であった. 見落としは初期の15例目以降にはなく, それ以後の症例では自動縫合器使用部周囲の気腫性病変への過緊張によると考えられる裂け目発生, 嚢胞新生(成長)が問題となった. 自然気胸に対する自動縫合器を用いた胸腔鏡下手術には死角の存在, 虚脱肺での気腫性変化の不十分な評価, 切除組織量の多さ, 肺の変形, 周囲肺への過緊張などの欠点があり, それらが再発率の高さに関係していると考えられた. この改善のためには再発例の病態, 問題点を明らかにすることが重要である. また, 明らかな嚢胞を認めその周囲肺が健常な例では胸腔鏡下に自動縫合器を中心とした手術を行い, 明らかな病変の確認できない症例や全体的な気腫性変化の強い症例では直視下手術への移行, 胸膜剥離, 胸膜癒着術を行うなど, 気胸の病態によって治療法や術式を変更, 選択することが望ましいと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腔鏡下手術, 自然気胸術後再発, 自動縫合器, 胸膜癒着術, 胸膜剥離術
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