アブストラクト(45巻7号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 異常血管に起因する特発性血気胸2例の治療経験 |
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Authors : | 村岡昌司, 中村昭博, 江口正明, 久松巖, 鳥山寛* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 是真会病院外科, *長崎大学熱帯医学研究所病変発現機序分野 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 45 |
Number : | 7 |
Page : | 1028-1033 |
Year/Month : | 1997 / 7 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 特発性血気胸はまれな疾患であり, 出血部位は壁側胸膜の癒着剥離部, 異常血管, 嚢胞壁など様々な報告がある. 今回われわれは, 異常血管の断裂に起因すると考えられる本症の2例を経験した. 症例1:25歳, 男性. 4日前から増強する胸痛と呼吸困難で来院した. 胸部X線で血気胸の診断受け, 胸腔ドレーンから1,500mlの血液が吸引された. 出血が持続するため緊急手術となった. 肺尖のブラの先端に索状物があり, 胸壁側の断端が出血源と考えられた. 症例2:29歳, 男性. 約1,800mlに及ぶ出血のため発症より約16時間で緊急手術が行われた. 手術時に同様の索状物が認められ, その結紮とブラの切除を行った. 病理学的に索状物の中に明瞭な弾力線維を有した異常血管が認められ, その破綻が出血の原因と考えられた. 特発性血気胸の管理においては, 本症例のような異常血管からの大量出血も念頭に置き, 早期の手術を考慮すべきと考えられた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 特発性血気胸, 大量出血, 異常血管, 緊急手術 |