アブストラクト(45巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 3次元心臓超音波検査法による人工弁置換術後の弁機能評価
Subtitle :
Authors : 瀬在明, 塩野元美, 折目由紀彦, 畑博明, 八木進也, 塚本三重生, 中田金一, 長谷川雅江, 瀬在幸安, 谷川直*
Authors(kana) :
Organization : 日本大学医学部第2外科, *日本大学医学部第2内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 8
Page : 1084-1089
Year/Month : 1997 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 近年のコンピュータ技術の進歩により3次元心臓超音波検査法の開発はめざましく, 弁疾患, 先天性心疾患, 解離性大動脈瘤, 冠動脈疾患などの評価に使用され, その有効性が報告されている. しかし本検査法による人工弁置換術後の機能評価は現在のところ報告されていない. 今回われわれは, rotational scanning法により, 人工弁を3次元的に機能評価し, その有効性を検討した. 対象は僧帽弁置換術後7例, 大動脈弁置換術後1例, 僧帽弁+大動脈弁置換術後2例で, 術後期間は1~306カ月であった. rotational scanning法により, 3次元再構築画像を求めた. また僧帽弁置換術後症例のうち2例にカラードプラを用い, 人工弁逆流を3次元再構築し, 画像を求めた. 僧帽弁置換症例のうち, 二葉弁は人工弁の開閉は良好に描出され, SJM弁症例ではstrutも明らかにされ, また1例にpannusと思われる像を認めたが, 弁葉の動きに影響を及ぼさないことを確認しえた. また人工弁逆流は性状が明らかにされた. しかし大動脈弁置換症例, ball弁症例は超音波の方向性と人工弁のアーチファクトのため, 満足な3次元画像は得られなかった. 本検査法は, 検討課題は残っているものの, 人工弁の開閉運動, 逆流の評価, 2次元では描出困難であったpannusの存在, sewing cuffと弁論との関係も評価でき, 画期的な検査法であった. 今後手術方法, 術前, 術後情報を得る上で重要な検査法になると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 3次元心臓超音波検査, 人工弁, 経食道心エコー, 心臓超音波検査法, 弁機能評価
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