アブストラクト(45巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術の適応限界と術後のquality of life
Subtitle :
Authors : 中野清治, 江石清行, 笹子佳門, 小林順二郎, 小坂井嘉夫
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 8
Page : 1090-1095
Year/Month : 1997 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1993年1月から1996年6月の間に, 非リウマチ性の僧帽弁閉鎖不全症108例に外科治療を行った. 僧帽弁形成術(MVP)94例, 僧帽弁置換術14例であった. 弁尖の逸脱部位別にみたMVPの占める比率(MVP例/総数)は, 前尖92%(22/24), 後尖96%(47/49), 前後尖94%(15/16)であった. また, 活動期感染性心内膜炎では60%(3/5), MVP後の再手術では33%(3/9)であった. 手術手技, 遠隔成績, 術後の心調律と抗凝固療法について検討した. MVP後の再手術は2例であった. 他に心臓超音波により3/4度の僧帽弁閉鎖不全残存を6例に認めたが, 臨床症状がないため経過観察を行っている. その他の弁関連合併症としては, 血栓塞栓症を3例に認めた. いずれも術後1年以内で後遺症を残さなかった. 術後42カ月のevent free rateは80.4%であった. MVPとmazeの同時手術を心房細動39例中36例に行い25例が正常洞調律に回復した. ワーファリンによる抗凝固療法を行っているのは6例のみであった. 最近3年半の非リウマチ性の僧帽弁閉鎖不全症において, 全体として87%にMVPを行った. 活動期感染性心内膜炎と再手術例を除く逸脱病変では, 部位にかかわらず90%以上(全体で94%)にMVPが可能であった. MVP例の91%は満足のいく僧帽弁の修復が行えた. またmaze手術をMVPと同時に行うことにより術後の洞調律例は増え, 術後のquality of lifeは向上したと思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 帽弁形成術, 僧帽弁閉鎖不全症, maze手術, 人工腱索
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