アブストラクト(45巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 特発性血小板減少性紫斑病を合併した僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術後に左房内血栓を来した1例
Subtitle :
Authors : 香山茂平, 石原浩, 中尾達也, 内田直里, 柴村英典, 上松瀬新
Authors(kana) :
Organization : 広島市立安佐市民病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 8
Page : 1111-1115
Year/Month : 1997 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は58歳, 男性. 僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対し僧帽弁形成術(MVP)を施行予定であったが, 術前に特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を合併していることが判明し, 開心術の周術期の出血対策として術前に脾摘摘出術, γ-グロブリン大量静注療法(400mg/kg/day, 5日間)を施行した. 術中, 術後に重篤な出血を認めなかった. 術後の出血を危惧し抗凝固療法を軽度に行ったこともあり, 術後14日目に施行した経食道心エコー(TEE)にて左房内血栓を認めた. 同日よりワーファリンを増量しトロンボテストを10%前後にコントロールして, 術後36日目に再検したTEEにて血栓の消失を見た. MVPは血栓症の発生の危険が少ないといわれているが, 術後早期には左房内に血栓形成することがある. 例えITPを合併していても出血が制御できたと判断されたら, 術直後から十分な抗凝固療法が必要であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁形成術, ITP, 脾臓摘出術, γ-gl大量静注療法
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