アブストラクト（45巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 心膜腔内に再発し, 心筋に浸潤した胸腺扁平上皮癌の1切除例 |
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| Subtitle ： | |
| Authors ： | 長井千輔, 岡村吉隆, 石浜洋美, 知元正行, 池田康紀, 嶋田晃一郎 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 獨協医科大学胸部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 45 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1116-1121 |
| Year/Month ： | 1997 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は61歳, 女性. 背部痛と感冒様症状にて受診し, 胸部X線像にて縦隔腫瘍を疑われた. 縦隔針生検の細胞診で胸腺癌を疑い, 摘出標本の捺印細胞診にて胸腺扁平上皮癌と診断した. 病理組織像は中分化扁平上皮癌であった. 手術は胸骨正中切開で施行した. 腫瘍は左腕頭静脈, 上大静脈, 心膜に癒着していた. 術後, 心膜剥離面の遺残腫瘍に放射線治療を追加したが, 再発した. 再切除と術後化学療法を施行したが, 縦隔リンパ節転移と心膜腔内増殖と心外膜浸潤による心不全で死亡した. 胸腺扁平上皮癌は放射線感受性が高く, 予後良好との報告があるが, 本症例は放射線感受性が低かった. 胸腺悪性腫瘍の悪性度の指標は周囲臓器への浸潤の有無が最も重要であることから, 癒着は浸潤と考えて心膜合併切除の必要があった. 胸腺扁平上皮癌が心臓周囲に浸潤増殖した症例は他の報告にもあり, 胸部単純像による再発の早期発見は困難で, 胸部CTが不可欠と考えられた. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 胸腺癌, 細胞診, 胸腺扁平上皮癌, 放射線治療, 心外膜浸潤 |
