アブストラクト(45巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 低左室機能症例に対する冠状動脈バイパス術後の難治性心室頻拍症-植込み型除細動器使用による1治験例-
Subtitle :
Authors : 吉川義朗, 谷口繁樹, 川田哲嗣, 浜田良宏*, 河内寛治*, 北村惣一郎
Authors(kana) :
Organization : 奈良県立医科大学第3外科, *愛媛大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 8
Page : 1122-1126
Year/Month : 1997 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は52歳, 男性. 左室駆出率0.27の低左室機能例である. 両側内胸動脈を用い左前下行枝, 右冠状動脈後下行枝に冠状動脈バイパス術を施行した. 術後頻回の心室頻拍, 心室細動発作を来し, リドカイン, メキシレチン等の抗不整脈薬に抵抗性を示した. 血行動態の不安定化と最高1日に211回, 18日間で総数441回の電気的除細動を必要とした. そこで大動脈内バルーンパンピング, 経皮的心肺補助装置による循環補助を施行した. その後も頻回に発作を繰り返すため, アミオダロンを投与し, その後, 心室頻拍, 細動発作は一時抑制された. しかし運動負荷により心室頻拍を生じるため, 術後98日目に植込み型除細動器植込み術を施行し, 冠状動脈バイパス術後134日目に退院した. 低左室機能症例の冠状動脈バイパス術後の心室頻拍, 心室細動に対し植込み型除細動器の臨床応用例は本邦ではいまだ少ないので, 文献的考察を加え報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 植込み型除細動器, 低左室機能, 冠状動脈バイパス術, 心室頻拍
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