アブストラクト(45巻9号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 胸腹部鈍的外傷による肝及び下大静脈右房接合部損傷の1救命例 |
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Subtitle : | |
Authors : | 二宮英樹, 川口英樹, 木戸正訓, 加戸靖, 大谷肇, 今村洋二 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 関西医科大学胸部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 45 |
Number : | 9 |
Page : | 1616-1619 |
Year/Month : | 1997 / 9 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は63歳, 男性. 工場作業中に落下してきた鉄骨にて胸腹部を強打した. 当院搬送時Japan Coma Scale 10点の意識混濁, 全身チアノーゼを呈し重篤なショック状態に陥っていた. 諸検査にて心嚢内心大血管損傷による心タンポナーデ及び腹腔内出血を疑い緊急手術を施行した. 胸骨正中切開にて出血部位を検索すると下大静脈右房接合部内側に約2/3周にわたる断裂を認めた. 部分遮断や用手的な止血下の手術は困難であると判断し, 体外循環下に断裂部の縫合止血術を施行した. 更に開腹し, 肝門部周辺からの出血に対し縫合止血術を施行した. 鈍的外傷による心臓大血管損傷は病態が重篤で他臓器損傷を合併していることも多く, その救命には特に正確で迅速な対応を必要とするが, 頭蓋内出血の合併を否定し得る時には常に体外循環装置を待機させ, 必要と判断したとき直ちに装着できる態勢にしておくことが望ましい. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 鈍的外傷, 心臓損傷, 肝損傷, 体外循環 |