アブストラクト(45巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 破裂により縦隔血腫・血胸を呈した胸腺嚢胞の1手術治験例-報告例を含めて-
Subtitle :
Authors : 津田京一郎, 吉田一郎*, 大嶋清宏, 森下靖雄*
Authors(kana) :
Organization : 国立高崎病院心臓血管外科, *群馬大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 9
Page : 1654-1659
Year/Month : 1997 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縦隔血腫・血胸を呈した胸腺嚢胞の1例を報告する. 症例は68歳, 男性. 呼吸困難を主訴に他院を受診, 右血胸の診断で当院に転院した. 胸部単純X線写真, CT, DSAで胸部大動脈に異常なく, 前縦隔から右胸腔内に連続する腫瘤様陰影と胸水を認めた. 術中所見では, 胸腺右葉に径4cmの嚢胞と, これと連続して右胸腔内に突出する被包化された血腫が存在し, 胸腔内に穿破していた. 胸腺全摘及び血腫除去を行った. 病理所見では, 嚢胞壁の一部が崩壊し血腫と連続しており, 胸腺嚢胞破裂による縦隔血腫・血胸と診断した. 胸腺腫瘍破裂による胸郭内出血の報告は, 胸腺腫3例, 胸腺嚢胞1例(自験例), 胸腺カルチノイド1例のみであった. 出血部位は前縦隔3例, 胸腔内4例, 心嚢内1例であり, 全例が胸痛, 呼吸困難の症状を有していた. 胸痛, 呼吸困難を訴える縦隔陰影拡大, 胸水貯留症例では縦隔腫瘍からの出血の可能性も念頭に置く必要があると考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 腺嚢胞, 縦隔血腫, 血胸
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