アブストラクト(45巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心マッサージ後準緊急手術となった左冠状動脈主幹部完全閉塞の1手術治験例
Subtitle :
Authors : 市原利彦, 朝倉貞二, 酒井喜正*, 保浦賢三*, 村瀬允也*
Authors(kana) :
Organization : 公立陶生病院心臓血管外科, *名古屋大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 10
Page : 1755-1761
Year/Month : 1997 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ショックを伴う左冠状動脈主幹部(以下LMT)完全閉塞例の心マッサージ症例はいまだ予後不良で救命率は低く, その治療には敏速な対応と判断が要求される. 著者らは来院時と入院後の2度の心マッサージを施行したLMT完全閉塞症例にPTCA(経皮的バルーン拡張冠状動脈形成術)後, 発症14日目に緊急3枝冠状動脈大動脈バイパス手術(CABG)を施行し, 救命し得た症例を経験した. 心停止, ショックを呈するLMT病変や3枝病変において, 術前CPK高値で大部分の心筋が荒廃しているような症例は, 即緊急手術ではなく早期のカテーテル治療法(PTCA等)を試み, 心筋を救済した方が治療上有効で, その際血行動態が許す限り緊急手術は避けた方が望ましいと考える. 同様な症例でどうしても即緊急手術が必要ならば, 過去の同症例の手術成績は著しく不良であることから, 通常の方法でCABGを施行するのではなく, 手術手技, 心筋保護, 体外循環(補助循環も含め)などの工夫, 考察が必要であると考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ショック, 心マッサージ, 緊急CABG, LMT完全閉塞, PTCA
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