アブストラクト(45巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 1カ月間で急速に拡大した冠状動脈瘤切迫破裂の1例
Subtitle :
Authors : 森秀暁, 岡村吉隆, 杉田洋一, 望月吉彦, 飯田浩司, 嶋田晃一郎
Authors(kana) :
Organization : 獨協医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 11
Page : 1848-1853
Year/Month : 1997 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心筋梗塞発症時に発見された冠状動脈瘤が, 約1カ月の間に急速に拡大し, 切迫破裂の状態となったため, 緊急手術を施行した症例を経験した. 患者は47歳, 女性. 17年前から口腔内アフタと難治性の外陰部潰瘍の再発がみられ, 2年前から甲状腺機能亢進症を合併していた. 心筋梗塞発症後より1カ月で左冠状動脈前下行枝に発生した冠状動脈瘤は急速に拡大し, 心エコーで心嚢液貯留を認めたため, 緊急手術を施行した. ベーチェット病の診断基準の主症状である, (1)口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍. (2)皮膚症状. (3)眼症状. (4)外陰部潰瘍. の4項目のうち, 2項目を有しており, 更に副症状である. 血管系の異常を認めたため, ベーチェット病による冠状動脈病変の可能性が示唆された. 手術はaortic-no-touch techniqueで行い, 瘤より中枢と末梢で冠状動脈を二重に結紮し血流を遮断した後, 瘤を切除し, 切除部分はフェルトストリップを用い, サンドイッチ状に補強を行い閉鎖した. 次いで内胸動脈を用い, LAD末梢側にCABGを行った. 術後経過は良好で, 退院後は外来でフォローアップを行っている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : べ一チェット病, 冠状動脈瘤
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