アブストラクト（45巻12号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 原発性肺癌脳転移例の治療方針 |
|---|---|
| Subtitle ： | 原著 |
| Authors ： | 中出雅治, 弘野慶次郎, 渡辺裕介 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大阪赤十字病院呼吸器外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 45 |
| Number ： | 12 |
| Page ： | 1911-1915 |
| Year/Month ： | 1997 / 12 |
| Article ： | 原著 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 1978年から1995年にかけて, 当院で非小細胞肺癌術後, 脳に初再発を来した41例について検討した. これらは全切除例の8.4%, 再発時期は原発巣術後平均8.6±8.0ヵ月であった. これらの43.9%, 18例に転移巣摘出術が施行され, 転移巣術後の5年生存率は35.7%, 生存期間中央値は28ヵ月と良好であった. 生存に関する因子として, 再発時期が原発巣術後1年未満の群, 脳転移巣術後全脳照射を行った群で有意に生存期間の延長を認めた. 転移巣術後, 再発を来した9例中6例が脳の再々発であり, このうち4例は術後全脳照射が行われていなかった. また, 70歳以上の照射例には高頻度に照射後遅発性神経障害が出現した. 以上より, (1)非小細胞肺癌術後24カ月は, 脳転移の検索を定期的に行い早期発見に努める, (2)12ヵ月以内に肺転移が発見された症例は, 他臓器に転移を認めなければ, 可能な限り切除の方針をとる, (3)70歳以下の症例では転移巣術後全脳照射を考慮すべきであると考えられた. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 原発性肺癌, 脳転移, 全脳照射 |
