アブストラクト(45巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両大血管左室起始症(DOLV)に対する外科治療の検討
Subtitle :
Authors : 坂本貴彦, 今井康晴, 高梨吉則, 星野修一, 瀬尾和宏, 寺田正次, 青木満, 末次文祥
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 45
Number : 12
Page : 1922-1930
Year/Month : 1997 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれの施設にて1976年から1996年までに4例の両大血管左室起始症(Double outlet left ventricle, DOLV)に対して根治手術を行ったが, その4例と現在までに文献上報告された28例を加えた32例を対象として, DOLVの解剖学的特徴, 術式, 手術成績などについて検討した. 32例の手術時年齢は4ヵ月から28歳であった. 性別は男性19例, 女性7例, 不明6例であり, 男性例が多い傾向を認めた. 肺動脈に対する大動脈の位置関係は様々で, 前方のものが11例, side by sideのものが9例, 後方のものが10例, 不明3例であった. またVSDの位置はsubaorticが20例(63%)と多く, subpulmonaryが7例, doubly committedが2例, 不明2例であった. 根治手術はRastelli型手術が18例と最も多く, 右室流出路形成術(RVOTR)6例, 心内導管修復術(IVR)4例, Fontan型手術4例であった. また32例中肺動脈狭窄のない症例はわずか3例であり, Biventricular repair症例28例中, 肺動脈狭窄を合併した25例のうちRastelli型手術を施行したのは18例(72%)であった. 術式選択に関しては右室の大きさ, 大動脈と肺動脈の位置関係, 肺動脈狭窄の有無, VSDの位置が重要である. 多くの場合Rastelli型手術が選択されるが, 特に大動脈が肺動脈の後方より起始したりsubpulmonary VSDを合併する場合には1弁付きパッチによる右室流出路形成術や心内導管修復術を施行できる可能性が高くなる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 両大血管左室起始症, DOLV, 心内導管修復術, 大血管関係
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