アブストラクト（45巻12号：日本胸部外科学会雑誌）

Title　：	大動脈縮窄症を伴った完全大血管転位症I型に対する新生児期一期的根治術の経験
Subtitle　：	症例
Authors　：	栗栖和宏, 米永國宏, 古庄伸行, 西村紀久夫, 八浪浩一*
Authors（kana）　：
Organization　：	熊本市立熊本市民病院心臓外科, *熊本市立熊本市民病院小児循環器科
Journal　：	日本胸部外科学会雑誌
Volume　：	45
Number　：	12
Page　：	1976-1980
Year/Month　：	1997 / 12
Article　：	報告
Publisher　：	日本胸部外科学会
Abstract　：	症例は27生日, 3,408gの男児. 精査にて大動脈縮窄症, 心房中隔欠損症, 動脈管開存症, 左上大静脈遺残, 左側並列心耳, 右胸心を伴った完全大血管転位症I型と診断した. 手術は, まず左側開胸下に大動脈縮窄解除(subclavian flap手術)を行い, 続いて胸骨正中切開下に動脈スイッチ(Jatene手術)を行う一期的根治術を施行した. 術後経過は良好で, 術後2日目に人工呼吸器より離脱, 29日目に退院した. 術後の心臓カテーテル検査で, 軽度の肺動脈狭窄(右室肺動脈圧較差19mmHg)と動脈スイッチに起因する大動脈弓部の屈曲を認めたが, 心機能は良好であった. 本症の外科治療方針として一期的根治手術が妥当と思われ, subclavian flapと動脈スイッチの2つの手術を組み合わせることで良好な結果を得た. 完全大血管転位症(TGA)I型に大動脈縮窄症(CoA)を伴うことはまれである1)～6). われわれはCoA, 心房中隔欠損症(ASD), 動脈管開存症(PDA), 左上大静脈遺残(PLSVC), 左側並列心耳, 右胸心を伴ったTGA I型に対し, CoA解除と動脈スイッチ手術を一期的に行い良好な結果を得たので, 文献的考察を加え報告する.
Practice　：	臨床医学：外科系
Keywords　：	大動脈縮窄症, 完全大血管転位症I型, 大動脈縮窄解除術, 動脈スイッチ手術, 一期的手術