Abstract : |
60歳, 男性. 1991年に前壁中隔梗塞で発症後, うっ血性心不全を反復していた. 精査の結果, Sellers III度の僧帽弁閉鎖不全症を伴う左室瘤の診断で, 左室パッチ再建術と逸脱弁尖切除を加えた僧帽弁形成術を施行した. 術後の左室造影では僧帽弁逆流はなく, 心臓カテーテル検査でも著明な心機能の改善を認めた. 前壁中隔梗塞後に発症した僧帽弁閉鎖不全症を伴う左室瘤に対し, 左室パッチ再建術と逸脱弁尖切除を加えた僧帽弁形成術を施行し良好な結果を得たので報告する. 「症例」症例:60歳, 男性. 主訴:労作時呼吸困難. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:1991年4月に胸痛出現し前壁中隔梗塞と診断された. LAD#6の閉塞に対し緊急PTCAを施行, 血栓溶解剤を投与され改善を認めた(max CPK:4,930). その後心不全もなく経過したが, 1994年頃よりうっ血性心不全を反復するようになり, 入退院を繰り返した. 心臓超音波検査で僧帽弁閉鎖不全症を指摘され, 精査の結果Sellers III度の僧帽弁閉鎖不全症を伴った左室瘤と診断された. 入院時現症:血圧126/70mmHg, 脈拍85/分 ; 整, 心尖部にLevine 2/6度の全収縮期雑音を聴取した. |